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JALの「JALグローバルクラブ(JGC)」と、ANAの「スーパーフライヤーズカード(SFC)」。航空会社の上級会員を目指すとき、最初に迷うのがこの二つではないでしょうか。
どちらも空港ラウンジや優先チェックイン、手荷物の優先受け取りなどが魅力ですが、入会資格の獲得方法も、これから先の維持条件も異なります。とくにANAは2026年9月、2028年4月から始まるSFC新制度の内容を一部見直しました。「年間300万円を使えなければラウンジがすべて使えなくなる」という理解は、最新の公式発表とは異なります。
この記事では、初稿の2026年10月13日時点の公式案内をもとに、入会条件・年会費・2028年SFC改定の主要条件を10月30日に再確認し、どちらを選べば後悔しにくいか、旅行スタイルと決済額の両面からやさしく比較します。
この記事の結論を先に
・時間をかけて実績を積み上げたいならJGC:1,500 Life Statusポイントが入会の基本条件。対象カードを持ち続けることで基本資格を維持できます。
・短期間で入会資格を目指すならSFC:原則、年間50,000プレミアムポイントなどでANAプラチナ資格を獲得します。
・海外の加盟航空会社をよく利用するなら、2028年改定が決め手:SFCの年間対象決済が300万円未満なら、スターアライアンス・ゴールドからシルバーに変わります。ただしANA便の優先サービスや一部ラウンジ特典は残ります。
※金額は特記のない限り税込。入会・ラウンジ利用・優先サービスは搭乗便、運航会社、空港、カード種別等によって異なります。
この記事は全3ページです。1ページ目は入会条件・年会費・航空アライアンス、2ページ目は2028年SFC改定と決済額、3ページ目は旅行スタイル別の選び方とFAQです。

1.まずは一目で比較|JGCとSFCは何が違う?
| 比較項目 | JGC(JAL) | SFC(ANA) |
|---|---|---|
| 上級会員の仕組み | 生涯利用実績を積み重ねて入会 | 主に年間搭乗実績で入会資格を獲得 |
| 入会の基本条件 | 1,500 Life Statusポイント+対象JALカード等 | ANAプラチナ/ダイヤモンド等+対象SFC |
| 実績の有効期間 | Life Statusポイントは生涯累積 | プレミアムポイントは暦年ごとの判定 |
| 加盟アライアンス | ワンワールド | スターアライアンス |
| 基本的なアライアンス資格 | サファイア | 2028年3月まではゴールド |
| 2028年4月以降 | 現行の基本制度で説明 | PLUS(年間300万円以上)/LITE(未満) |
| 最安クラスの本会員年会費 | 11,000円 | 11,275円 |
| 基本的な維持条件 | 所定のJALカードを継続保有 | SFCを継続保有。ただし上級特典に利用額条件 |
| おすすめの考え方 | 長期の積み上げ・JAL/ワンワールド派 | ANA利用・短期取得・決済集約が可能な方 |
ここで区別したいのは「入会できる条件」と「入会後に使えるサービス」です。JGCなら1,500ポイントの達成、SFCならプラチナ資格などが最初の関門。その後の使い勝手は、どの航空会社に乗るかと、SFCなら2028年以降の決済区分で変わります。
2.JGCの入会条件|1,500 Life Statusポイントを生涯で貯める
JALは2024年にJGC入会基準を変更しました。いま新たに入会する方は、原則として1,500 Life Statusポイント(LSP)以上を獲得し、JGC対象のJALカードを保有する必要があります。対象はCLUB-A、CLUB-Aゴールド、JALダイナース、プラチナ、プラチナ Proなどです。普通カードだけではJGCに入会できません。
搭乗・カード利用のLSP積算例
| 積算対象 | 基本的な積算 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| JALグループ国内線 | 1搭乗につき5 LSP | 対象運賃・マイル積算条件あり |
| JAL国際線 | 1,000区間マイルごとに5 LSP | 端数区間マイルは繰り越し |
| JALカードのショッピング | 2,000ショッピングマイルごとに5 LSP | ショッピングマイル対象分のみ |
| JAL Pay | 基本マイル400マイルごとに1 LSP | ボーナスマイルなどは対象外 |
| その他のJAL関連サービス | サービスごとに異なる | 追加・変更があるため最新条件を確認 |
国内線の搭乗だけで1,500 LSPを目指すと、単純計算で300区間。往復なら150往復です。頻繁に飛行機を利用しない方には高いハードルですが、JGCの強みは1年間で達成する必要がないこと。旅行や出張と日常のカード決済を少しずつ重ねていけます。
なお、LSPはマイル残高とは別の指標です。マイルを特典航空券に交換しても、すでに獲得したLSPが消費されるわけではありません。詳細はJALの積算対象サービス一覧で確認できます。
年間カード利用だけでJGCを目指すと何年かかる?
ショッピングマイルが100円につき1マイル貯まる条件(CLUB-Aゴールドなど、または対象カードでショッピングマイル・プレミアム加入)を仮定します。特約店の加算、ボーナス、搭乗実績などは含めません。
| 年間決済額 | 年間LSP | 1,500 LSP到達までの単純計算 |
|---|---|---|
| 100万円 | 25 | 60年 |
| 200万円 | 50 | 30年 |
| 300万円 | 75 | 20年 |
| 500万円 | 125 | 12年 |
あくまでカード利用だけの試算です。JAL便の搭乗や特約店利用などを組み合わせれば結果は変わります。逆に、ショッピングマイル・プレミアム未加入のCLUB-Aカードなどで通常200円=1マイルの場合、LSPの積算ペースは基本的に半分です。
つまりJGCは「たくさん決済すればすぐ入会できる」という制度ではありません。今後もJALを長く利用する予定がある方に向いた、積み上げ型の資格と考えるのが自然でしょう。
3.SFCの入会条件|年間プレミアムポイントで狙う
SFCは、原則としてANAのプラチナサービスまたはダイヤモンドサービスを獲得した方が申し込める会員カードです。ANAグループ運航便で100万ライフタイムマイルに到達した方にも入会資格があります。
通常ルートは年間50,000プレミアムポイント
プラチナサービスを「搭乗のみ」で獲得するには、1月1日〜12月31日の1年間で50,000プレミアムポイント、そのうちANAグループ運航便で25,000ポイント以上が必要です。プレミアムポイントは飛行距離だけでなく、予約クラスや運賃、路線倍率などで決まります。
集中して搭乗し、条件を満たせば、JGCより短い期間で入会資格に届く可能性があります。ただし航空券代や宿泊費なども必要になるため、取得費用を最小化できるとは限りません。
飛行+日常サービス利用ルートもある
ANAには、ライフソリューションサービスとカード決済を組み合わせるステイタス獲得ルートもあります。2027年度プラチナサービスの基準では、「ANAグループ運航便で30,000プレミアムポイント」「指定のライフソリューションサービス7種類以上(ANA Mall・ANAトラベラーズを含む所定の必須サービスあり)」「ANAカード・ANA Payの対象決済400万円以上」をすべて満たします。
ここで必要な400万円はプラチナ資格を取得する条件です。後述のSFC PLUSを維持する年間300万円とは別の判定なので混同しないようにしましょう。詳しくはANAの2027年度ステイタス条件で案内されています。
なお、SFCは上級会員資格を得るだけで自動的に発行されるものではなく、対象カードへの申し込み・所定の審査が必要です。申し込み前にはANAカードの選び方・SFC対応カードの解説も参考にしてください。
4.維持費と家族カード|年会費だけならほぼ互角
| 費用 | JGC CLUB-A(代表例) | ANA SFC一般(代表例) |
|---|---|---|
| 本会員 | 年11,000円 | 年11,275円 |
| 家族会員1名 | 年11,000円 | 年5,610円 |
| 本会員+家族1名 | 年22,000円 | 年16,885円 |
| 搭乗しない年 | 対象カード保有等で原則継続 | SFC資格は継続。ただし2028年以降は決済額で区分変動 |
最低年会費の本会員だけなら差は275円。大きな違いは家族会員の費用と、カード決済に求められる役割です。夫婦2人で対象資格を保有する場合、最安クラス同士ではSFCの方が年間5,115円安くなります。
ただし、マイルを効率よく貯めるための追加費用は別に考えましょう。例えばJGC CLUB-Aの通常ショッピングマイルは200円につき1マイルで、100円につき1マイルへ引き上げるショッピングマイル・プレミアムには別途年会費が必要です。一方、SFC一般カードでも国際ブランドとマイル移行コースによって移行手数料が変わります。
カードの年会費だけでなく、普段の決済から得るマイルや付帯保険を含めて総額を確認すると、判断しやすくなります。対象カードと年会費はJAL公式、ANA公式で確認できます。
5.空港サービス|ラウンジ以外にも価値がある
上級会員の魅力は「空港ラウンジに入れる」だけではありません。エコノミークラスで移動するときほど、出発前から到着後までの使い勝手を実感することがあります。
| 優待 | 旅行中のメリット | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 優先チェックイン | 混雑した一般カウンターを避けやすい | 利用資格と対象カウンターは運航会社ごとに異なる |
| ラウンジ | 搭乗前・乗継時に落ち着いて過ごせる | 同行者数・搭乗便・混雑制限を確認 |
| 優先搭乗 | 荷物を整理し、落ち着いて着席しやすい | 優先順序は便・会社で異なる |
| 手荷物優先返却 | 到着後の待ち時間を短縮できる可能性 | 最初に荷物が出る保証ではない |
| 手荷物許容量の優待 | 長期旅行や荷物が多い出張に便利 | 運賃・路線・提携会社で例外あり |
| 優先保安検査 | 利用可能な空港では並ぶ時間を短縮 | 全空港で提供されるサービスではない |
ラウンジは「航空会社ラウンジ」と「カードラウンジ」を区別
JGCで使えるJALサクララウンジや、SFCで利用するANA LOUNGEは、一般的なゴールドカード向けのカードラウンジとは異なります。とくに国際線では、食事やシャワーが用意されている施設もあり、乗り継ぎ時に役立ちます。ただしJGC Three Starだけでファーストクラスラウンジ、通常のSFCだけでANA SUITE LOUNGEを使えるわけではありません。
また、同行者1名までが無料の一般的な扱いでも、空港・施設ごとに細かい条件があります。夫婦と子ども2人で旅行する場合、会員1人の資格で全員が無条件に入室できるわけではない点にも注意しましょう。
ラウンジの種類については空港ラウンジ・上位カードガイドでもご紹介しています。
6.海外旅行の決め手は航空アライアンス
JGCはワンワールド・サファイア、SFCは現行制度でスターアライアンス・ゴールド。いずれも、JALやANA以外の加盟会社に搭乗するときにも優待を活用できる資格です。
| 利用地域・傾向 | ワンワールド(JGC) | スターアライアンス(SFC) |
|---|---|---|
| 日本発着 | JAL | ANA |
| 北米 | アメリカン航空・アラスカ航空・ハワイアン航空 | ユナイテッド航空・エア・カナダ |
| 欧州 | ブリティッシュ・エアウェイズ・フィンエアー | ルフトハンザ・SWISS・オーストリア航空 |
| 東南アジア | マレーシア航空など | シンガポール航空・タイ国際航空 |
| 香港・台湾 | キャセイパシフィック航空 | エバー航空など |
| オセアニア | カンタス航空 | ニュージーランド航空 |
| 中東 | カタール航空・オマーン・エア | ターキッシュ エアラインズなど |
例えば、欧州でフィンエアーをよく利用するならJGCとの相性がよく、ルフトハンザやSWISSを使うならSFCとの相性がよくなります。ハワイアン航空は2026年4月にワンワールドへ正式加盟しました。一方、アライアンス外の航空会社に同じ優待がそのまま適用されるわけではありません。
ワンワールド・サファイアの便利なところ
対象となるワンワールド加盟会社の搭乗時には、ビジネスクラスラウンジ、優先チェックイン、優先手荷物取り扱いなどが利用できます。通常はラウンジへ同行者1名を招待できるケースもあります。対象施設・フライト・例外条件はワンワールド公式で確認しましょう。
スターアライアンス・ゴールドの便利なところ
対象の加盟会社に搭乗する際、ラウンジ、優先チェックイン、優先搭乗、優先手荷物取り扱いなどを利用できます。対象空港の優先保安検査「Gold Track」も魅力の一つです。ただし、それぞれのサービスには空港・航空会社ごとの条件があります。
もっとも、2028年4月以降はSFC会員全員がスターアライアンス・ゴールドとは限りません。ここが次の章のポイントです。
